TiaRabbit❤ティアラビット

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1巻「カラヴァル(Caraval)」&2巻「レジェンダリー(Legendary)」の二次創作(FanFiction)です。
※ネタバレ要素があるかもしれないので、ご注意ください。

*「カラヴァル」シリーズ*二次小説カテゴリー(各エピソードもくじ)*


*Screens Shot*Sims3

※「カラヴァル(Caraval)」1巻の二次創作です。
※本編ネタバレ要素があるかもしれないので、ご注意ください。
※気になる方は、ステファニー・ガーバー著「カラヴァル 」第1巻を先に読むことを、おすすめします。
※本編を読んでいなくても、読めるとは思いますが、本編を読めばわかりやすいと思います。
※何度も読み返して検証してはいない為や、解釈の違いによって、本編設定と微妙に異なっているかもしれません。
※本編は全3巻のうち2巻まで発行されていないので、2巻までの内容から二次創作しています。
※本編のイメージが崩れないようには描いていますが、元々二次創作が苦手な方は、見ない方がいいと思います。

Refernce:
*「カラヴァル(Caraval)」ステファニー・ガーバー著、西本 かおる訳
*「レジェンダリー(Legendary)」ステファニー・ガーバー著、西本 かおる訳

*1巻「カラヴァル(Caraval)」ステファニー・ガーバー著の概要・登場人物・あらすじ・感想 ページはこちら。
*2巻「レジェンダリー(Legendary)」ステファニー・ガーバー著の概要・登場人物・あらすじ・感想 ページはこちら。

※この創作は、2018.9月時点に作成されたものです。
※原作は、エランティン朝という独自の暦ですが、19世紀のような舞台設定になっています。(現代の思想とことなる部分があるので、19世紀が舞台となっていることを考慮してください。)


〔エピソード3「海賊とお姫さま」〕




♪イメージMusic:「Young and Beautiful」 Lana Del Rey


〔Chapter1「町のお祭り」〕

ジュリアン:
特にやることもなかったし、暇つぶしにテラが言っていた島の祭りを見て回ることにした。

悪いが想像した通りカラヴァルの世界を見ている俺にとっては、暇つぶしにもならない程の地味な祭りだったが、小さな島のささやかな楽しみなのだろう、それなりに賑わっていた。



夜の帳が下りる頃だったので、子供はほとんどいなくなり、代わりに酔っ払った男達と、酔ったふりをした女達が、屋台が並ぶ広場や、公園を行き来している。

その行き交う人々の姿は、屋台の松明の灯りで影となり、オレンジ色と黒の影絵を作って、ジュリアンは、なにかの影絵芝居でも見ているかのような感覚に囚われた。

辺りは、酒臭い男の匂いと、女の香水の匂いが充満し、祭りということも相まって独特の雰囲気を醸し出している。

いかにも夜の小さな町のお祭りという感じだ。

すると、ジュリアンの前に突然、人が飛び出してきた。



「お兄さん!噂の船乗りね〜。」

ジュリアン:
語尾を持ち上げるように言いながら、俺の前に現れた女は、俺を上から下までじっくり眺めて、また顔に視線を戻した。
その女の顔には頰に赤みがさし、酔っている様子だ。

歳は、俺と同じくらいか少し上くらいで、ブロンドのゆるいウェーブのかかった髪、どことなく雰囲気がテラに似ている。
一瞬、テラの姉スカーレットかと頭によぎった。

でも、目の前にいる女は、美人で色っぽいが品がない。
テラは生意気でも、一応品はある。
よくよく見れば、そんなにテラに似ていないし、姉スカーレットはブルネットヘアーだと聞いたのを思い出した。

女「随分なイケメンだって、町中で噂になってるよ。噂通りのいい男。」

ジュリアン「へぇ。言っとくけど、金なら持ってねーよ。」

女「はぁあ゛!?このクズ男!」

ジュリアン:
どうやら娼婦じゃなかったらしい。
怒らせたみたいだが、追っ払えたからよしとしよう。

俺は、このトリスダ島に来て3週間が経つが、テラの姉スカーレットには、まだ会っていなかった。

会っていないというよりは、会わせてもらえないと言った方が正しいだろう。

むしろテラは、俺とスカーレットを会わせたくないんじゃないかと思う。
まるで海賊から大切な宝物でも隠すように。



〔Chapter2「ジュリアンの期待」〕

ジュリアン:
俺は心のどこかで、テラの姉スカーレットに早く会いたいと思っていた。

このトリスダ島で一番の美人と町中で評判になっているスカーレット。

そのスカーレットを、わざと俺に合わせないように彼女を遠ざけるテラの様子は、さらに俺の気持ちに拍車をかけた。

俺は、無意識のうちに町の評判と情報から、スカーレットの容姿や、人となりを想像していた。

評判通りの美人か、性格はテラと違うのか、瞳の色や、声のトーンまで想像していた。

否が応でも期待が高まる。

でも、実際はそんな甘ったるい感情では済まされなかった。



〔Chapter3「深淵のクリムゾン」〕
ジュリアンは、酒の匂いと香水の匂いが入り混じる祭りの広場から少し離れた、ひと気の少ない通りに出てきた。

軽く均しただけの土の道の両サイドには芝生と木々がまばら植えられ、程よい間隔でベンチが置いてあり、そのまま公園とつながっている。

広場からの灯りが溢れ、その通りを照らしているが、メイン通り程の明るさはない。

広場の喧騒から少し離れ、かすかに虫の鈴声が聴こえ、ベンチや木々の影から、小さな声で男女の談笑する声が聞こえる。
きっと大きな声では話せないような内容だろう。



ジュリアン:
ひと気の少ないベンチや、木の影でイチャつく男女を横目に、道を歩いていると向こう側からやってくる人影が見えた。

すらりとした華奢なシルエットに、なめらかな生地のドレスが美しい曲線を描いていた。

ダークレッドのドレスだが、広場から漏れる灯りのオレンジ色が混ざり緋色に見える。

ダークブラウンのシルクのような長い髪には、肩から毛先にかけて、ゆるいカールがかかっている。

大きな瞳に、上品に均整のとれた美しい顔立ち。

思わず俺は足を止めてしまった。

一目で彼女だと思った。

薄暗いこの通りでも、彼女は鮮明に見えた。

彼女は、華やかなバラのように美しい。
俺の想像していた以上だった。

それまでは彼女を見たら華やぐ気持ちになるだろうと思っていた。

でも、それは大きな間違いだった。

広場からの灯りが当たり、彼女の長いまつ毛に濃い影を落としている。
それにもかかわらず、まつ毛から覗く瞳は涙で潤んでいるのか、その灯りを乱反射している。

彼女は、なにかに追い詰められたような、今にも嗚咽とともに泣き出してしまいそうな表情をしている。
そして、まるで迷い子みたいに誰かを探している。

彼女は鮮やかに見えるのに、なぜか彼女の背負っている背景は、色の見えない黒一色で、その奈落は今にも彼女を飲み込もうとしている。

深淵に儚く落ちていく一滴の血のように。



俺は、彼女を見て、やっと気付いた。
テラが「束縛し服従させる父親から逃げたい。」と言っていたことが、世間知らずのお嬢さまのわがままではないことに。

焦燥感を抑えきれない。
自分に急き立てられて、息をすることも辛い。

こんな気持ちになるのは初めてだった。

早く彼女を助けたい。

ただ純粋にそう思った。




*あとがき*


作中の“深淵のクリムゾン”を表現したSSにしようとしたのですが、画像加工できらきらさせたら、深淵っぽくなくなってしまいました^^;;

ちなみに、原作でスカーレットと親しくなったジュリアンは、彼女のことをスカーレット“緋色”ではなく、クリムゾン“深紅”という愛称で呼びます。
日本語版サブタイトル「~深紅色の少女~」の“深紅”は、この“クリムゾン”のことをさしているのだと思います。

「カラヴァル」シリーズのキャッチコピーで素敵なキャッチコピーがあったのでメモ♪

1巻「カラヴァル」
優しい伯爵のフィアンセと、甘くて危険な船乗り。
二人の間で揺れるスカーレットの恋。

2巻「レジェンド」
冷酷な次期国王と、黒い翼を持つ怪しく危険な男。
認めたくないテラの恋。

まさにぴったりのキャッチコピー♪すごい。
「カラヴァル」は謎解きゲームっていうより、そっちがメインです。(だから女性向けかもしれないです。)


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