TiaRabbit❤ティアラビット

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1巻「カラヴァル(Caraval)」&2巻「レジェンダリー(Legendary)」の二次創作(FanFiction)です。
※ネタバレ要素があるかもしれないので、ご注意ください。


※「カラヴァル(Caraval)」1巻の二次創作(FanFiction)です。
※本編ネタバレ要素があるかもしれないので、ご注意ください。
※気になる方は、ステファニー・ガーバー著「カラヴァル」第1巻を先に読むことを、おすすめします。
※本編を読んでいなくても、読めるとは思いますが、本編を読めばわかりやすいと思います。
※何度も読み返して検証してはいない為や、解釈の違いによって、本編設定と微妙に異なっているかもしれません。
※本編は全3巻のうち2巻まで発行されていないので、2巻までの内容から二次創作しています。
※本編のイメージが崩れないようには描いていますが、元々二次創作が苦手な方は、見ない方がいいと思います。
※非商用ブログの二次創作小説ですが、正式な権利保有者の方が二次創作小説を削除してほしいということであれば、直ちに二次小説記事削除致します。

Refernce:
*「カラヴァル(Caraval)」ステファニー・ガーバー著、西本 かおる訳
*「レジェンダリー(Legendary)」ステファニー・ガーバー著、西本 かおる訳

*1巻「カラヴァル(Caraval)」ステファニー・ガーバー著の概要・登場人物・あらすじ・感想 ページはこちら。
*2巻「レジェンダリー(Legendary)」ステファニー・ガーバー著の概要・登場人物・あらすじ・感想 ページはこちら。

※この創作は、2018.9月時点に作成されたものです。(3巻発行前)
※原作は、エランティン朝と独自の暦ですが、19世紀のような舞台設定になっています。(現代の思想と異なる部分があるので、19世紀が舞台となっていることを考慮してください。)


〔エピソード2「海賊ジュリアン」〕




♪イメージMusic:「Sweater Weather」 by The Neighbourhood



〔Chapter1「海賊ジュリアン」〕

ジュリアンは、座っていたテーブルに、自分とテラの分の飲食代を置いてバーから出た。

テラが、自分に苛立っているのはわかっていた。

ジュリアン:
でも、どうしても解せない。
なぜ、父親を騙し夜逃げなんて、そんなにここから逃げたいのか。
彼女の様子を見ていると、本気で悩んでいるようには思えない。

確かに、この陰気なトリスダ島から逃げたくなる気持ちはわかるが、父親は娘の心配をするものじゃないのか?
それが行き過ぎて息が詰まりそうな時もあるかもしれないが。

ジュリアンは、トリスダ島にいるドナテラ姉妹を、束縛する父親から連れ出しカラヴァルのロス・スエニョス島に連れて来るという計画と、姉には父親が勝手に決めた貴族の婚約者がいるとだけを聞かされていた。

この時代、親が娘の婚約者を決めることは、全く珍しくはなかった。
姉スカーレットには、顔も名前もわからない手紙だけのやり取りの婚約者がいるとテラからも聞いていたが。
当の本人が結婚前に、顔も名前も知らないのは、少々不思議だが、そんなことも珍しいって訳じゃない。

父親が、大切な娘にルシファー(悪魔)のような男を選ぶとは思えない。
一部例外もあるが。。。

それにしても、その婚約者は貴族で伯爵という爵位まである。
娘の将来を考えて、選んだ相手だろう。
ついでに、父親の地位も向上し一石二鳥、妹もそのお陰で、それなりに安泰で暮らせる。よくある話だ。

ジュリアンは、島に来る途中も、あまりこの計画に乗り気ではなかった。
もし、その婚約者の伯爵が良い人なら、その娘にとって、人並みの平凡な幸せが手に入る。
貴族だから、そこら辺を這って歩くように働く庶民よりも、幸せな暮らしが手に入るかもしれない。

もし、そうなるのだとしたら、それを無暗に邪魔していいものなのかどうか疑問だった。

そして、ジュリアンがトリスダ島に到着し、テラを初めて見た時、この計画の誤ちを確信した。

灰色の埃立つような燻んだ港町の中に、1つだけ置いてあるキャンドルのように目立っていた。
それは、キャンドルの蜜蝋を溶かしたようなハニーブロンドの少女だった。

なめらかなセルリアンブルーのドレスに、豪華なスカイブルーのレースとリボンの装飾が散りばめられているドレスを着ていた。

港を荷物を抱えて歩く潮風で色褪せたドレスを着ている女とは、明らかに違う質感をしている。

一目で、それは高級なもので、身体にぴったりに縫製されたドレスのシルエットから、オートクチュールであることが容易にわかった。

テラは、つば広の帽子をかぶっていたが、彼女の視線は見えた。
ジュリアンは、テラの視線の合図で、港町の人けの少ない通りに行った。

ジュリアンは、近くでテラを見て率直に、これが困っている少女であるとは、とても思えなかった。

高級なドレスを着て、その手は白いシルクの手袋をしているわけでもないのに、すべすべとなめらかな光沢を放っている。

俺は、その少女がドナテラ・ドラグナか確認した。
その少女は、やはりドナテラで合っていた。
テラは、帽子を外して自分を“テラ”と呼んでいいと言った。

帽子の影になっていた彼女の顔の全容が見えた時、一瞬、心臓が一拍停止したように思えた。
テラの姿が、ローザに見えたのだ。

俺は、瞬きをして心を落ち着かせた。
もう一度彼女をよく見ると、ローザではなかったし、あまり似てはいない。
でも、雰囲気は似てるかもしれない。
もしかして、だからレジェンドは、この子に協力しようとしているのかと思った。

でも、このテラという娘は、どうしても困っている“かわいそうな少女”には思えなかった。

その格好から何不自由ない暮らしぶりが伺える。
血色も良いし、今にも死にそうってわけじゃない。

どうせ金持ちの世間知らずの“お嬢さま”が、妙な幻想を抱いて、新しい世界に飛び込みたいとか、そういうレベルだと思った。

幻想の世界が、現実よりも恐ろしいこともあるってことを知らないみたいに。

それは百歩譲って許そう。
問題は、コイツの性格だ。

船から降りて、お互いが計画に関わる人物か確認した。

俺が予想していた通り、この計画は、世間知らずのお嬢さまの“若気の至り”だということを確信して、素っ気なくあいさつした。

すると、自分がぞんざいな扱いを受けるなんて、あり得ないと言わんばかりに、つっかかってきた。

テラ:「あんた、あのおんぼろ船かどっかで、頭でも打ったの?」

ジュリアン:「はあ゛?随分なご挨拶だな。」

テラ:「“はあ゛?”じゃないわよ。母音に濁点まで付けちゃって、あんた本当にカラヴァルのキャストなの?」

ジュリアン:「ああ、もちろん。俺は、メインキャストの1人だ。」

テラ:「へぇ。それってなんのコネ?演劇で、何でこの大根役者が主役級の役を貰えたのかなって思った時は、大体、コネかヒモよ。」

ジュリアン:「何が言いたいんだよ。」

テラ:「何で、あんな目立つ登場するのよ。計画がバレたら、どうするのよ!」

ジュリアン:「これが俺達、カラヴァルのやり方だ。気に食わないなら、他の奴らをあたれよ。」

俺が、そう言うとテラは黙り込んでしまった。
他に依頼できそうなツテはないことはわかった。

少し言い過ぎたかと思ったが、彼女は、ものすごい生意気な鋭い視線で俺を睨み付けている。
その視線が目に見える物体だったら、触れたら八つ裂きに切り裂かれそうなくらい鋭い。

この性格なら、テラは誰かに頼らなくても自分で、何とかできそうじゃないかと感じた。

とりあえず、これは俺にとってカラヴァルで、最後の仕事になるかもしれない。
仕方ないが、もう少し慎重に様子を見ることにした。

だけど、あのテラの性格は苦手だ。



〔Chapter2「美人姉妹」〕

ジュリアン:このトリスダ島に、到着して3週間が経った。

あの気の強い女テラとは、計画の打ち合わせで、すれ違いざまに紙のメモを渡されたり、町の雑踏に紛れ、路地裏で話したりして顔を合わせている。

側から見れば、親に隠れてコソコソ付き合っている若いカップルに見えるかもしれないが、計画のこと以外は、ほとんど交わしていない。

ほとんど事務連絡。
だが今日は、ちょっと違った。
テラいわく、今夜は島のお祭りがあるそうだ。
彼女は「この島のお祭りなんて、みみっちくて地味で退屈なお祭り。」と言っていたが、いつもよりその口調は軽やかに弾んでいる気がした。
この田舎の孤立した島では、唯一の娯楽なんだろうと思った。

カラヴァルの史上最高のショーを、近くで見ている俺にとって、田舎町の祭りなんて、ほとんど興味がなかった。

それよりも、俺が意識が向いていたのは、ドラグナ姉妹の姉の方だ。

この計画の起案者もあるドラグナ姉妹の妹テラとは、何度も顔を合わせているが、姉スカーレットととは、島へ来て3週間も経っているというのに一度も見たことがない。

テラが言うには、姉スカーレットはインドア派らしく、あまり町には出てこないそうだ。
そうは言っているが、どうもテラが俺に会わせたくない念を含んでいるようにも思えてきた。

ほとんどあの丘の上の要塞みたいな屋敷にいるらしい。

俺だって、島で3週間もふらふらしていたわけじゃない。
不本意な計画だが、仕事は仕事。
仕事はちゃんとやる主義だ。一応。

町でのドラグナ家の評判を調べた。
別に、住人に聞いて回ったわけじゃない。

町の住人の噂話を、ただの通行人や店の客として、こっそり盗み聞いていた。

姉妹の父親であるドラグナ総督は、町でも恐れられているのは確からしい。
かろうじてあの要塞のような邸宅から大砲は飛んでこないらしいが、赤の他人に冷たくても、家族を大切にする親はたくさんいる。

嫁入り前の娘を厳しくするのもわからないでもない。
変な男に付きまとわれたりしたら大変だし。

町の噂で聞いたのはドラグナ 総督が、この島を牛耳っているということだけではない。

ドラグナ姉妹の島での評判も聞いた。
彼女達は、この島一番の美人姉妹。

妹テラの方は奔放で、町でも色々といろんな意味で遊んでいるらしい。
これは俺の予想通り。

しかし、姉スカーレットの方は、滅多に町に出歩いて遊んでいる様子は見られないそうだ。

でも、何かの行事の時や、町の職人などがドラグナ邸で仕事をした際に、姉スカーレットを、ほんの少しだけ見られたという話を耳にした。

その内容は、姉スカーレットは相当な美人ということで、男達は騒いでいた。
あたかも、その女を将来ものにできるみたいな口ぶりで興奮している。

確かにテラは黙っていれば、まあかわいい容姿をしている。
黙っていればだけど。

テラから参照すると、その姉さんが美人なことは容易に想像できたが、同時に高飛車な女を想像していた。

高飛車な姉と、わがままな妹。定番な組み合わせだ。

そう思ってたスカーレットの姿をこの目で見るまでは。


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