TiaRabbit❤ティアラビット

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(↑上記表現が、どの話・部分にあるかはストーリーの都合上、明記しません。
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※コメントをいただけるのは、とてもうれしいので感想を残したいという方は、コメントを書いていただければ参考にさせていただきます。
(簡単なコメントでも全然大歓迎です。)

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<読み方>  
『 』 ⇒ セリフ  
〔 〕 ⇒ 思考  
カッコなし ⇒ 説明等  
≪ ≫ ⇒ ストーリーテラー、ナレーション  
♪ ♪ ⇒ 音声や環境音  
= = ⇒状況説明等  
*  ⇒ 補足  
※  ⇒ 注意


※全体を通してひとつに繋がるようにストーリーを作っていくつもりなので、Episode1から順に、読み進めていただけるとありがたいです。
『 「Re:Birth」 - Episode 1 』は、こちら

『 「Re:Birth」 - Episode 2 』は、こちら

『 「Re:Birth」 - Episode 3 』は、こちら

『 「Re:Birth」 - Episode 4 』は、こちら

『 「Re:Birth」 - Episode 5 』は、こちら

『 「Re:Birth」 - Episode 6 』は、こちら


前回までのあらすじ

それは、現代の黒猫が話す過去のおはなし。
フェアリスランド専属高位魔法使いトラビスは、ある日、隣国のラヴェール(元)王国専属高位魔法使いだったラフィリア・メレディに、魔法使いにとって“命(いのち)”である魔力をその一人分の半分以上の量を突然送り付けられた。
真相を調べようとしたが、ラフィリアは既に何者かに殺された後だった為、ほとんど何もわからなかった。


トラビスは、10年前ラヴェール(元)王国で起こった事件現場からカイルという少年を助けた。
その少年(カイル)も、やがてトラビスのもとで成長し、トラビスの良き相棒になっていた。


ラフィリアの件から、数日経ったある日、トラビスが思いを寄せるフェアリスランド王の一人娘であるフィオナ姫が、トラビスの元へ訪れ、「贈り物にするお守りを作って欲しい。」と、トラビスに依頼する。

フィオナ姫が依頼した贈り物は男物であり、その贈る相手に好意を持っている様子だった。
そして、その相手はトラビスではないということも明らかだった。

トラビスは、フィオナ姫が、相棒のカイルに恋をしているのではないかと予測する…





カイル:俺は講義を受けるため講堂へ向かった。いろんなことを勉強する。学校みたいなもんだ。
訓練場とは違い女子もいて共学みたいになってる。王様が男女平等に勉強をする機会を与えるという方針によるものだ。















?:『おはよう。カイル。 今日は、ランジェさんと一緒に来なかったの?』





カイル:『ああ、今日はお兄さんの誕生日らしいから、今日一日おばさんと一緒にいたいんだって。』





?:『そうなんだ。』






カイル: この眼鏡の頭のよさそうなやつは、デヴィッド。

デヴィッド・ラファエル・フレデリック。





カイル: 俺が、青年団(訓練場)で孤立してるときに、ジャンと同じく俺を支えてくれた男だ。
訓練場で、隠された俺の着替えをそっと元に戻しておいてくれたり、書き写せなかった講義のノートをさりげなく俺の机に入れておいてくれたりした。

ちょっとオタクっぽくって、気は弱そうに見えるが、意思が強く、しっかりした男だ。
ここで、真の友と呼べるのは、ジャンとデイヴィッドくらいだろう。
(訓練場と学校は、青年団とは別メンバー)

デイヴィッドは、俺やジャンと違って同じ青年団だが、系統がちょっと違う。化学、科学、研究とか、医学とかも学んでる。要するに頭脳系だ。






それと、なにげに、王様の遠い遠い親戚らしい。貴族だけど本人は「“貧乏貴族”ほぼ庶民だよ。」って笑い飛ばしてる。


デイヴィッドの父親は、医者だしお金は持ってそうだけど、彼の父親やその家族は社会福祉や奉仕の精神に厚く、自分たちだけで利益を独占するような人たちではない。


だから、フレデリック家は、街でも信頼されている家柄だ。
確かに、デイヴィッドは全然いやみなやつじゃないし、生活レベルも派手じゃない。


デイヴィッドも、その社会福祉・奉仕の精神をきちんと受け継いでいる。
俺を気にかけてくれていたのも、その精神のおかげなのかも(苦笑)





ジャン:『あ~間に合った!!セーフ!』






ジャン:『うっす!お二人さん。』










デイヴィッド:『いつもギリギリだけど、朝、訓練してるんだよね?』







カイル:『確かに訓練には遅刻したことないよな。』






ジャン:『訓練とこれとは別!講義のこと考えると眠くなるから、訓練の後、家に帰って寝ちゃうんだ。まあ、ここでも寝るけどな。』






デイヴィッド:『そして、朝ご飯は授業中に食べるってわけだね。』






ジャン:『朝メシは、いつもちゃんと食ってきてるよ!授業中に食うのは別!おやつみたいなもんだ!』





カイル:『驚異の胃袋だな。 …それにしても、なんだか騒がしいな。』










デイヴィッド:『もうそろそろフィオナ姫の誕生日だからね。そのパーティーの準備とか何を着るかとかでみんな騒いでるんだよ。』






カイル:『そう言えばそんな時期か。。。』





カイル:『でも宮殿に入れるのは、一部だろ?』





デイヴィッド:『城下でも、いつもみんなお祝いのお祭りしてるだろ。それだよ。そっかカイルとジャンはいつも宮殿の中にいるもんね。』











ジャン:『そーいうお前も宮殿にいるだろ。』












デイヴィッド:『でも、僕は途中で花火の打ち上げ部隊の手伝いに行くから、その時、城下を通るんだ。』






ジャン:『いーなー俺も外に連れってくれよ。』





デイヴィッド:『でも、宮殿の方がおいしいものいっぱいあるよ?』






ジャン:『それはそうなんだけど、兄貴がいるから全然食えない!!』






ジャン:『ていうか、兄貴が「お前が食べると他の人の分がなくなるだろ!」って言って怒られて全然!食べさせてもらえねぇ。マジでお預け状態だぞ。』





ジャン:『ったっく、口うるさい兄貴がいるから全然楽しめないし。口を開けば「お前は落ち着きがない。」とか、「自分の身の回りの物は、ちゃんと片付けろ!」とか、「使ったものは元の場所に戻せ!」とかさ。』






カイル:〔…どこかで聞いたセリフだ…。ジャンが兄貴に言われてることは、俺がいつもトラビスに言ってることほぼ一緒だ。〕と思った。






デイヴィッド:『ジャンは、お兄さんに弱いもんね。』





カイル:『。。。でも、花火楽しみだな。』





その時、デイヴィッドの眼鏡がキラっと光るのが見えた。ヤバイ、俺は奴の導火線に火をつけてしまった。。。





デイヴィッド:『そーだよね。そーだよね。楽しみだよね。大空高くであんな化学反応が見られるなんてほんと奇跡だよね!!魔法の花火もいいけど、普通の花火もいいよね。いくつもの計算された配置と金属化合物の燃焼による炎色反応…』





カイル:ジェレミーがこの花火の奇跡の配列と化学反応の話を延々としそうだったが、ちょうど授業が始まってくれて、デイヴィッドには悪いが、俺とジャンは少しホッとした。





カイル: デイヴィッドは、頭が良いというか化学(科学)オタクというか…この超自然的世界の中で、超現実的というか…。
トラビスの魔法ですら、どういう仕組みでどういう化学反応でとかその理由を証明しようとしてる。





カイル: 頭のいい奴の考えは理解できない…まあ、おもしろいやつだけど。








トラビス: 俺はフィオナ姫に頼まれた“お守りのリング”の制作に取り掛かっていた。



このリングを誰にやるのかは不明だが、おそらく俺ではない“男”だろう。ということはわかっていた。





そして、フィオナ姫が思いを込めたリングを送るその男は、カイルであるかもしれないとも予想した。
少しせつないが、その相手がカイルであった場合は、まあ、安心だ。





でも、もしもカイルでなかった場合、心配ではある…



俺は、王室専属の魔法使いとして姫様を守る立場でもある。
俺のことを信用して、頼みごとをしてくれたフィオナ姫には心が痛むし、紳士としてあるまじき行為だが、これも大事な仕事だ。と割り切って、作成したリングに、その持ち主が何者かを知らせる魔法をかけた。


自分自身に、これも仕事だと言い聞かせた。そこに私情は絡めていない!!と、言い聞かせた。
でも、私情大ありだ。相手が気になる。気になり過ぎる。
どんなやつか?どんな性格か?何をしてるやつか?そいつは俺よりもかっこいいのか?目の色は?髪の色は?とか。






フィオナ姫は、どんなやつが好きなのか…全部気になる。。。










トラビス: 午後になると、仕事の為、城へ向かった。
今度あるフィオナ姫の誕生日パーティーの準備の為だ。
フィオナ姫はもちろん、王様も俺もとても楽しみにしている。


今回、王様は“特別な客人”を招くと言って、特に力を入れている。
(その“特別な客人”は、当日まで秘密だよ。と王様は言っていたが…。)





トラビス: 城へ行く際、ときどきカイルもお伴として同行してもらう時がある。

(主に、城にある俺の執務室の片付けの為。 魔法で片付けもできるが…
俺は、別に片付けられない人ではないが、万が一仮にそうだとしたら、片付けの魔法を使っても、要するにその…同じようになるってことだ。
だって本人が、その状態で“片付いている”と思っているんだから…。
魔法は、それを扱う魔法使いの感性に大きく影響されるって訳だ。)





今日もカイルを連れていくことにした。
王様が、来年の騎士の採用の試験に受かったカイルにお祝いの言葉を言いたいらしい。





もちろん、カイルはコネで試験に受かった訳じゃないぞ!
ちゃんと試験を受けた。



王様もカイルのことは前から知っているが、そのような取り計らいは、けっしてしていない。



それに、俺と警吏組織の間にも、そんな繋がりはない。
むしろ警吏組織のやつらは、“魔法なんて”という感じで、魔法使い(俺)に距離を置いているから、俺が警吏組織に口利きできる訳がない。
むしろ、魔法使い(俺)の息のかかったカイルを本当なら、警吏組織に入れたくはないはずだ。



あと、警吏組織にはあいつがいるから、そんな汚いことは、やろうと思っても簡単にはできないだろう。


自分の弟すら、能力を見てきっちり落とすんだから…。
カイルが、受かったのは公平な審査がされている証でもある。


それなのに、何も知らないやつは、カイルがコネで青年団に入ったとか、試験に受かったとかいう奴がいる。

まあ、ほとんどが“よそから来た成功者”への妬みだろけど。





その前になにより、本人には言ったことはないが、俺自身がカイルが騎士とか警吏組織に入ること自体反対なんだから…(公平な審査をしてくれた警吏組織には本当に感謝だな!(皮肉))




俺は、そういう教育を受けていなかったから、こう言えるのかもしれないが、誰が自分の大事な人を危険な仕事に、就かせたいと思う?
俺は、カイルに地味でも平凡でもいいから、普通の幸せな暮らしを送って欲しいだけだ。それが亡くなったカイルの父親へのせめてもの弔いだろ。


普通っていうのが一番難しいことだが…。




でも本人が、希望しているのだから、俺には止めることはできない…



俺は、魔法使いだから普通のやつより長く生きてきた、フェアリスランドに来る前にいた国では、戦争に行って、亡くなった兵士の残された家族の悲しんでる姿や、命からがら戻ってこれても、手や腕が切り落とされていたり、足がぶっ飛んだりしていても、国から何の補償も受けられず、苦しんでるやつらをごまんと見てきた。


フェアリスランドには戦争はないし、もし万が一そういうことがあっても、きちんとした補償は受けられるが、残された家族の悲しみは変わらない…。







フェアリスランドに渡来して、王室専属高位魔法使いになった当初に出会った家族もそんな同じような境遇の人々だった。。。




それは、俺がフェアリスランドに来て王室専属高位魔法使いになり、そして姫様が産まれたくらいの時のことだった。





フェアリスランドに来た当初、俺はこの国で浮いていた。
もちろん、王様やお妃さまは、俺のことを気に入ってくれて、よくしてくれたが、城から一歩外に出れば、奇異の目で見られていた。




もともと、占い師や奇術師など、魔道師・魔法使いまがいのやつらはいたが、本当の魔法使いほとんどいなかったらしく、ましてや高位魔法使いなんて、非常に珍しかったのだろう。
俺は未知の生命体だったってわけだ。



そこには、いろんな憶測が生まれていた。
”夜中に、女や子供を連れ去り、魔界に売り飛ばす”とか、”魔法使いが不老不死なのは、人間を喰らっているからだ”とか…、本当に彼らの想像力には恐れ入る。
そんなに知りたいなら、本人に直接聞けばいいのに。。。





そんなある日、街を歩いていたら、後ろから人の気配がした…。さっきからずっと俺の後ろを隠れ隠れ付いてきたのは気付いていたが、もう我慢の限界だ!




俺は、急に後ろを振り返った。


でも、そこには誰もいなかった…っと思って、視線を下にやると、そこには青みがかったグレーの子犬を連れた少年がいた。





その少年には少しだけ見覚えがあった。一度だけ宮殿で見たことがある。




なぜか妊娠中で体調の優れなかったお妃さまがこの少年と話しているのを見かけたことがある。




こんなクソガキに、お妃さまが何の用があるのだろうと思ったが、その少年は宮廷画家の孫だと聞いたので、その関係で宮殿にいるのかなと思った。
まあ、子供が自由に出入りできる場所でもないが。。。




そして、その少年は、急に振り返った俺に慌てふためいた様子だったが、しばらくすると、本か?何かを抱きかかえ、もじもじしながら、こう言った。





少年:『魔法使いのおにいちゃん!ぼくの書いた本読んで!』




トラビス: “おにいちゃん”か…、口のきき方は合格だが、俺は、子供が大嫌いだ!!乳臭くて、うるさくて、自己中心的で、無邪気な振りして残酷だ。
大人が誰でも子供にやさしくすると思うなよ。

(ちなみに、フィオナ姫とカイルは別だ。フィオナ姫はかわいくておとなしかったし、カイルは子供の時から聞きわけがよく大人じみてたし、乳臭くもないし、うるさくもなかったから。
まあ、この時は、フィオナ姫の世話役は主に乳母だったし、カイルとはまだ出会ってもいなかったが…。)





トラビス: 俺は、その少年の言葉を無視して、歩みを続けた。





すると、その少年も子犬と一緒に、小走りに追いかけてきてが、それも俺は無視し続けさらに早足にした。
でも、まだその少年は付いてきていた、しばらくすると、俺の後ろで派手に転んだ音がした。





ちょっと心配になって、後ろを振り返ると、やっぱり転んでた。





俺は、〔泣くなよ。泣いてもいいがよそで泣いてくれ。俺が泣かせたと思われる。〕と思った。





少年は、泣くことはなかったが、少年の大事そうに抱えていた俺に読んでほしいと言っていたその本は、転んだ拍子に地面に放り出されていた。





その本に目をやると、手作りのようで手書きで文字が書かれていた。
そして、俺はその本のタイトルに目を奪われた。



その本のタイトルがこうだ ≪とらびすのだいぼうけん≫



トラビス:〔うっ〕っと、俺は思った。そのネーミングセンスに度肝を抜かれた。
もっと他になかったのかよ!!
“だいぼうけん”が付いたせいで、トラビスって名前がヒジョーにださくなっちゃったじゃないか!!



俺は、この本が他の誰かの目に触れてはいけないと思い、仕方なくその本を受け取ることにした…。


トラビス: その本の作者という少年は、うれしそうに話し始めた。



エヴァン:『僕が魔法使いのおにいちゃんをモデルにして書いたんだ♪魔法使いのトラビスが悪者を退治して冒険する話♫。あっ、僕エヴァンっていうんだ。エヴァン・ランジェ。』



すると、エヴァンは立て続けに、俺に質問しまくった。



エヴァン:『魔法使いって、年をとらないってホント?何を食べるの?空飛べるの?魔法の杖はどうやって使うの?僕も練習すれば魔法が使えるようになる?』




トラビス:『あー、そこらへんでストップ!質問が多すぎて訳がわからないぞ!魔法使いは基本的に不老不死だ。それと、人間と同じようなものを食べる。魔法のほうきを使えば飛べる。魔法の杖は使うが、あれはほとんどカッコつける為だ!使い方なんてない!それに、魔法へのアクセス方法は魔法使いによって違う!あと、人間がいくら練習しても、魔法使いでなきゃ魔法は使えない。以上!』


トラビス:エヴァン立て続けに質問したのに対抗して、俺も立て続けに答えてやった。(←大人げない。)




エヴァン:『そうなんだ・・・でもでも僕も、魔法のほうき乗ってみたい!』




トラビス:『やだ。』




エヴァン:『。。。じゃじゃあ、壊れたもの直せる?』




トラビス:『まあ、直せるが…金とるぞ。』


エヴァンは、都合の悪い“料金発生”の情報は切り捨てたらしく、都合のいい部分だけ聞き入れて、うれしそうにこう言った。



エヴァン:『ほんとに♫♪? 割れちゃったお皿とかも元通りになる?』




トラビス:『ああ、直せるさ。』




すると、エヴァンは隣にずっといた青みががかったグレーの子犬にうれしそうに説明し出した。


エヴァン:『直せるって♪ だから言っただろ。 やっぱり魔法使いはすごいや♪』




トラビス:〔どうしよう。こいつ魔法とか不思議な世界に浸り過ぎて、友達が犬しかいないのかな…〕と思った。


それを、見ていた俺に気付いたのか、エヴァンはご丁寧にもその子犬の紹介までしてくれた。




エヴァン:『この子は、リアンって言うんだ♪ リアン・レイノルズ。』




トラビス:〔犬なのに、これまたご丁寧にセカンドネームまで付けてるとはな…。
ていうか、さっきからその犬、俺にガン飛ばしてるんだが…ずっと。子犬のくせに目つきの悪い犬だな。〕と思った。




すると、彼らの後方から、ひとりの女性が小走りにこちらの方へ向かってきた。



その女性は、エヴァンに近づくとこう言った。






?:『エヴァン!ダメでしょ。お兄さんはお仕事で大変なんだから。』





?:『ごめんなさい。トラビスさん、この子あなたのことが好きみたいで…お仕事中、ご迷惑お掛けしてごめんなさい。』





トラビス:そう言ったこの女性は、おそらくエヴァンの母親だろう。
俺は、いま仕事中でもなかったし、このガキに大変迷惑を掛けられたが、社交辞令で『いえ、大丈夫ですよ。』と答えてしまった。いろいろ説明するのは面倒だしな。





そして、俺は軽く会釈して、この2人と一匹の前から立ち去った。





たぶん、俺が聞こえるか聞こえないかくらい離れたら、その母親はきっと息子に、こう言うに違いないと思った。
「もうあの魔法使いに近づいちゃダメよ。」と…。





別に慣れてるから、もう気にしないさ。
俺には、そんな暇人のうわさ話より大事な仕事がある。






そう思いながら、歩いていると、また小走りに俺を追ってくる足音が聞こえた。
気になって振り返ると、さっきのエヴァンという少年の母親だろうと思われる女性が、少し息を切らせながら立っていた。





エヴァンの母親:『ごめんなさい。お忙しいのに…でも、息子から聞いて。。。あっ私、アリアンナ・ランジェと言います。あっあれを直していただけるって聞いて…お金ならお支払いしますので。』




トラビス: さっきは、顔をあまりよく見ていなくて気付かなかったが・・・

〔・・・かっかわいい。。。〕

童顔で、笑顔がかわいくて、なんかふわふわした雰囲気。
ちょっと鼻にかかって舌っ足らずなしゃべり方なのに、その声は高く透き通っている。。。

。。。もろに俺のタイプだ!




トラビス:すると、エヴァンの母親だというそのかわいらしい女性は、布に包まれた割れたお皿を差し出した。




トラビス: 彼女の予想外の行動と、ちゃっかり直してもらいたいものを持ってきていたことに思わず笑みがこぼれた。
まったく、俺は女性に弱いんだな、きっと。
俺はカッコつけて紳士ぶった。





トラビス:『お金なんて必要ないですよ。こちらを直せばよろしいのですか?お安いご用です。』





そういうと彼女の手のひらにある割れたお皿を魔法で直した。
(それっぽく見せるために、いつもより5割増しくらいの派手なエフェクトを出した。それなりの演出も大事だろ。)





アリアンナ:『うわぁ~ほんとにすごい。ありがとうございます。すごいわ。なんてお礼したらいいか…』


トラビス:エヴァンの母親はうれしそうに言った。




トラビス:『お礼なんて必要ないですよ。』

アリアンナ:『そういう訳には…』



トラビス: そう言うと、さらに後ろから追ってきたエヴァンと子犬がこっちへ到着したところだった。




エヴァン:『うわぁ~直ってる!すごーい! 僕よく見えなかったよぉ。ずるいよママ。』

アリアンナ:『本当に一瞬だったのよ。すごかったわ。』




エヴァン:『でしょでしょ!僕が言ったでしょ!魔法使いはすごいんだ。って♪』



トラビス: その少年は、あたかも自分のことのように、言葉の語尾に“えっへん”とでも付きそうなくらい自慢げに言った。


アリアンナ:『魔法の杖は使わないんですね。』


トラビス:『ああ、はい使うこともありますけど…どちらもできます。』

トラビス: 〔俺は、魔法使いのイメージ的に杖使っとくべきだったか…?〕と思った。
俺は、結構イメージを気にする。




アリアンナ:『そうだ。今お時間あるかしら?お礼に、家でお茶でもいかがかしら?』

エヴァン:『そうだよ。家に来て来て♪ママのお菓子は絶品だよ♫』




トラビス:この親子は、俺が仕事中で忙しいという設定にしてあったことは、すっかり忘れているようだ。

最初は断ろうと思ったが、この親子の強引さに負けて結局、彼らの家に伺うことになってしまった。
まあ、少しくらいならいいだろう。
(エヴァンママが俺の好みだったとか、人妻にそそられた訳じゃないぞ!いや、ちょっとあったけど…。)





トラビス: 彼らの家に到着するまで、彼らの話を聞いた。





家族は4人。母親のアリアンナと息子のエヴァン、その妹のアリス、そして祖父のアルフレッドの4人で暮らしているそうだ。
父親は、アンドリュー・ランジェといいフェアリスランドの警吏組織にいて妹のアリスがお腹にいることに知る前に、殉職したそうだ(遺体は見つかっていないそうだが…)。



祖父のアルフレッドは、俺も顔見知りだ。
でも、あまりよくは知らないが…城でたまに見かける。

彼は、さっき言っていた宮廷画家だ。国宝とも言われてる結構すごい人ではあるが…

初めて見た俺の紫の髪をとてもきれいだと褒めてくれたが、染めてもいないのにどうしてそうなっているのか?どうやったらその色が出せるのか?とか、その老人と一緒にいたら、じきに俺は解剖でもされそうな勢いだったからちょっと距離を置いていた。

悪い人ではなさそうだったが、要するにちょっと変わってるじいさんだってことだ。





親子の家に着いた。





すると、連れていた子犬は反対側の道へ去っていた。











トラビス: それを不思議そうに見ていた俺に気付いたエヴァンが言った。





エヴァン:『もう、家に帰るって。お菓子食べていけばいいのにって言ったのに。』





トラビス:〔ペットじゃないのか?あの子犬は。〕と思ったが、まあいいかと思いスルーした。




トラビス: アリアンナは、俺にお茶と手作りのお菓子を出してくれた。
かわいらしいお皿に盛り付けられた、かわいいお菓子だった。
とてもおいしそうだ。



そして、家の中もアリアンナと同じように、かわいらしい雰囲気が漂っていた。




トラビス:〔ん?!ちょっと待て。この下に敷いてある皿、さっき直してやった皿じゃないか!あんな大事そうにしてたのに。〕と思って、俺はアリアンナに問いかけた。




トラビス:『あの…このお皿使っていいんですか?さっき直したやつ。』





アリアンナ:『もちろん。それは亡くなった主人からもらった大切なお皿で、私のお気に入りなの。』








トラビス:〔形見ってことだろ!?なおさら使いづらいぞ。〕と思った。
すると横にいたエヴァンが変なことを言いだした。





エヴァン:『きっと、魔法使いはお皿を別の使い方するんだよ!』

トラビス:〔は?!何言ってんだこのガキは。本気か?それとも、なんか芸でもしろっていうフリか?無茶ぶりか?俺を試してるのか?〕




アリアンナ:『まあ、そうなの?』




トラビス:〔どうやらこの親子の様子を見ると、“本気”の方らしい。〕





トラビス:『…いや、普通に皿として使います。』



トラビス:〔魔法使いも皿は皿として使う。。。そういうことを言ってるんじゃなくて…そんな大事なもの使っていいのか?ってことを聞いてるんだ!普通は大切にしまっておくだろう。。。この皿を皿として使うのは別に構わないんだが…いや、皿は皿として使うものなんだが…なんだかこっちがとっても変な質問しているように思えてきた。完全にこの親子のペースにはまってるな俺。
まあ、いいか、また割れたら直してやろう〕と俺は思った。





トラビス: そんな会話をしていると、玄関から誰か入ってきた。




例のちょっと変わったじいさん…いや、宮廷画家のアルフレッドさんだ。
彼は、俺を見るなり目を見開きうれしそうに近づいてきた。





アルフレッド:『おー、これはこれは魔法使いのトラビスくんではないか。なぜ家に?』





エヴァン:『おじいちゃん、おかえり♪ ママが割っちゃったお皿を直してくれたんだ♪ そのお礼に家に来て、ママの作ったお菓子を御馳走してるの。』










アルフレッド:『それはそれは、どうもありがとう。』





トラビス:『いえ、大したことではないので。お気になさらずに。』





トラビス:すると、赤ん坊の泣き声が響いた。
アリスだ。こいつはこの頃から騒々しかったな。





「ちょっと、ごめんなさい。」と言って、母親のアリアンナは、赤ん坊のアリスをあやしに行った。





アルフレッド:『やはりトラビスくんの髪の色は美しいな。エヴァンお前も、髪を紫にしたらどうだ?』





トラビス:〔おい、じいさん。孫に変なこと吹き込むな。〕





アリアンナ:『もう、お父さんったら、紫はトラビスさんのものよ。そうねぇエヴァンにはピンクとかどうかしら?私も好きな色だし。』





エヴァン:『僕は、ブルーがいいな♪』





トラビス:『・・・』

〔いや、紫は俺のものでもないし、その前に、この家には誰かツッコむ奴とか、たしなめる人間とかいないのか?
俺は、いつもツッコミ役ではないが、さすがにつっこんで注意すべきか迷った。〕





結局、彼らのペースに巻き込まれ、いつもこんな感じで、この後もこの家族と長く付き合う羽目になってしまった。




でも、俺も、その当時、少し落ち込んでいたというか自信を無くしていたから、彼らのあの独特のペースに巻き込まれるのを望んでいたのかもしれない。




あの時ちょうど、フィオナ姫が産まれたくらいの時だった。
それは同時にお妃さまが亡くなった時期でもある。





もちろん、お妃さまは俺のせいで亡くなった訳ではない。自然の流れで亡くなった。


治療の面では、遥かに魔法使いの方が人間よりも優れているが、でも、いくら魔法使いでも自然の摂理には逆らうことはできない。


仕方のないことではあったけれども…。しかし、このまま王室専属魔法使いとしてこの地位にいていいのかとか、そもそもの魔法使いとしての存在意義とか、いろいろ自信を無くして迷走してた。


王様は迷っていた俺に「このまま王室専属魔法使いでいて我々を手助けして欲しい。君が必要だ。」と言ってくださった。


俺よりも王様の方が深く傷ついているのに、俺のことを心配してそうおっしゃってくださったのだろうが、その優しさがかえって俺の心を痛めさせた。


そんな俺の心の隙間を埋めてくれたのがこの家族かもしれない。
この明るい雰囲気と独特のペースに巻き込まれることによって余計なことを考えなくて済んだ。


この一家は、地味だが名家らしく、また主人は名誉ある殉職し、早くに主人を亡くしたが健気に明るく前向きに生きている妻とその子供たちと、ちょっと変りものだが愉快で才能あるじいさんで、街でも評判の一家だった。


この家族のおかげで、俺の妙な世間での噂も薄れていき、この街に馴染むこともできた。


もしかしたら、このランジェ家との交流がなければ、俺は約10年前にラヴェールで起きた事件現場からカイルを助けようとも思わなかったし、ましてや、そのまま一緒に暮らそうなんて思いすらしなかったかもしれない。



それくらいこの家族との関係は、俺の心を大きく変化させたものだった。




特に、エヴァンとはよく話した。
エヴァンは俺に魔法のこととか、俺が前にいた国のこととか航海のこととか、いろいろ興味津々で聞いてきた。



あと、エヴァンの書いた本のこととかも話した。



エヴァンが書いた≪とらびすのだいぼうけん≫の物語を読んだが、それなりに面白かった。(俺がカッコよく描かれていたからな。)



また、カイルをラヴェールで助けた時、カイルのセカンドネームの“ラトウィッジ”にどこか聞き覚えがあると思ったら、エヴァンの書いた物語に登場する人物だった。
(あの事件現場でそんなおとぎ話のことをふと思い出すなんて俺もぶっ飛んでるけどな。)



もちろん、それは≪とらびすのだいぼうけん≫とは違う物語だ。



それは、若く聡明な王に仕えるアンドレアス、ラトウィッジ、リュディガーの3人の特別な使命を受けた勇者が助け合い協力して、悪に立ち向かうストーリーだった。



その中には、もちろん魔法使いも登場した。俺がモデルだ。
その3人が戦いで負った傷を治したり、魔法でその3人をいろいろサポートする役だ。
この話は、俺のお気に入りだったから、あの時も思い出してしまったのかもしれない。



エヴァンが、世の中の物事が詳細に理解できるような年頃になると、次第に、俺はエヴァンにいろんなことを相談するようにもなった。
もちろん、エヴァンも俺にいろんなことを相談した。



エヴァンが尊敬している父親を懐かしむ話もよくしたが、エヴァンは一度も俺に、“亡くなった人間(父親)を生き返らせることはできる?”ということは、聞いたりしなかった。
もちろん答えは不可能だが・・・。



おそらく、俺がお妃さまを助けることができなかったことに苦しんでる姿を見てきていたから聞かなかったのだと思う。



エヴァンは、俺を魔法使いとしてでなく、自分たちと同じ感情を持つ、ひとりの人間としてもきちんと見てくれていた。



まあ、とにかくエヴァンとはいろんなことを話した。
出会った当初は、こんな関係になるとは思いもしなかったが(エヴァンはまだガキだったし)、思いのほかエヴァンとは気が合った。



俺も暇だったのかな。
でもなにより、こいつと話してるときは、いろいろとわずらわしいことを忘れられた。



エヴァンには、不思議な力があった。人を癒すっていうか…人徳ってやつか、俺がそう感じただけかもしれないけど…。









俺にとって、エヴァンは、ここ(フェアリスランド)へ来て、初めてできた“友”だ。。。









To Be Continued...




Next Episode
「Re:Birth」- Episode 7 ✼ Part 2 - 〔嘘とお願い〕

※Ep6で、トラビスが、「妖精は、天使と妖魔のハーフ・・・」と言うセリフがありますが、ここで言う“ハーフ”は、〔天使の血と妖魔の血を継ぐ種族〕という意味合いで、本当に子供(ハーフ)という意味ではありません。

エピソードがどのストーリーの部分かわかりやすくする為、簡単なタイトル(自分的メモ)を付けました。

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